【労働保険】労働保険料の計算方法が変わります(ご注意を!)

こんにちは、宗谷・稚内の社労士、はまなす社会保険労務士事務所の日野です。
6月も半ばになり、社労士にとって最も忙しい季節、ハイシーズンがやって来ました。

毎年7月10日まで(今年は10日が日曜日のため11日まで)に提出する
①社会保険の算定基礎届
②労働保険の年度更新
この2つの書類作成で、全国の社労士はとても忙しくなります。
気合いと根性で乗り切る所存です!

さて令和4年度の労働保険年度更新ですが、実はこれまでと異なる部分があります。
それは「雇用保険料率が年度途中の10月で上がる」ことです。

【参考】令和4年度 雇用保険料率のご案内(PDF)

例えば「一般の事業」の雇用保険料率は、
前期(4月~9月)は1000分の9.5、後期(10月~来年3月)は1000分の13.5です。
なので令和4年度の労働保険料の計算も、令和3年度の賃金総額の半分に前記の料率、そして半分に後期の料率をかける必要があります。そしてこの2つを合わせた額が雇用保険分の概算保険料額となるわけです。
1年を通じて同じ保険料率で計算すると誤った数字になってしまいますから注意が必要です。

いやー、なんというか。
ただでさえ間違いが許されない労働保険料の計算がさらに煩雑に。
でもこれはコロナ禍で雇用調整助成金の支給が増え、雇用保険の財源が逼迫してしまったからなんですよね。足りなくなった分は労使みんなで負担しましょう、という趣旨です。

コロナの1日も早い終息を祈るとともに、雇用保険の財源が再び潤沢になることを願って、粛々と保険料の計算を頑張ります。

※令和4年度労働保険の年度更新期間は6月1日(水)~ 7月11日(月)です。

 

【法改正】「士業の個人事務所」が社会保険の強制適用になります

こんにちは、宗谷・稚内の社労士、はまなす社会保険労務士事務所の日野です。
今回は今年の10月に予定されている「社会保険の適用拡大」について説明しますね。

まず現状ですが、弁護士事務所、税理士事務所、そして私たちのような社会保険労務士事務所など、いわゆる「士業」の個人事務所は社会保険(健康保険&厚生年金保険)適用の対象にはなっていません。
こういった士業の事務所の中には、従業員が30人とか50人とか、かなり大規模なところもありますが、それでも社会保険はいわゆる「任意適用」であり、「社会保険に入りたければ任意で手続きを取れば入れますよ」というのが国のスタンスでした。
なので使用者である事務所の所長さんだけでなく、社員も皆、国保&国民年金に個人で入っている、ということになります(実際には従業員への福利厚生の一環として、社会保険に任意で入っているパターンが多いとは思いますが)。

それが令和4年の10月からは、「従業員を5人以上使用している士業の個人事務所」は社会保険の強制適用になるよう法律が改正されました。これまでは「入りたかったら入ってもいいよ」だったのが「社会保険に絶対入らんとダメ!」になるわけです。

ここで「従業員5人」に含まれるのは、あくまでも「使用される人」なので、事業主本人は含みません。なので、例えば事業主(所長さんとか)1人、事務員4人(フルタイム)の場合、事務所は計5人ですが、「使用される人」は4人にとどまっているため、強制適用の対象外です。

従業員を5人以上使用している個人の士業事務所は、施行日(令和4年10月1日)に強制適用となるため、社会保険の新規適用の手続きが必要となります。
手続きには「新規適用届」のほか、年金事務所が求める書類を添付することになります。また、合わせて「被保険者資格取得届」等も年金事務所へ提出します。

この新規適用に関して、
・手続きについて詳しく知りたい
・え、ちょっと面倒そう・・・。代わりにやってほしい
などの場合は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

【社会保険強制適用業種に追加される10の士業】
弁護士・司法書士・行政書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・土地家屋調査士・弁理士・公証人・海事代理士

【参考】「法律・会計に係る士業のみなさまへ」(PDFファイル)

 

カスタマーハラスメント対策マニュアル

こんにちは、宗谷・稚内の社労士、はまなす社会保険労務士事務所の日野です。

先日、厚生労働省がホームページにこんなマニュアルをアップしているのを見つけました。

カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(PDFファイル)

51ページもありボリューミーですがざっと読んでみました。
最初のほうは少し抽象的なんですけど、中盤からは顧客によるハラスメント行為やその対応例など具体的な内容が増え、とても興味深いコンテンツになっています。

このマニュアル作成にあたっては日本航空や全日空、JR東日本、有名外資系ホテルなどがヒアリングに協力しており、カスタマーハラスメントの資料としても一線級のものだと思います。

私はまだカスタマーハラスメントの被害に遭ったことはありませんが(良いお客様ばかりで感謝しています)、何かあったときにはまずこのマニュアルを参考にするつもりです。

【参考】カスタマーハラスメントとは
「顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為」。
令和2年1月、厚生労働省はこれらの「カスタマーハラスメント」について、事業主は、
①従業員からの相談に応じ、適切に対応するための体制の整備やカスハラ被害者への配慮の取組みを行うことが望ましい
②被害を防止するための取組みを行うことが有効である
との指針を定めています。

 

北海道の最低賃金は据え置き

こんにちは、宗谷・稚内の社労士、はまなす社会保険労務士事務所の日野です。

10月に入り稚内はすっかり肌寒くなりました。朝晩は暖房をつけています。テレビではサンポットやコロナのストーブのCMが始まっています(早すぎるよ〜)。

社労士的に10月といえば、最低賃金アップの季節。毎年10月1日上がる全国の最低賃金を注視していたのですが、今年は・・・ なんと北海道は上がりませんでした。861円で据え置きです。

全国で最も高い最低賃金は東京都などの1,013円ですが、東京も上がらずこのまま。北海道も東京も、最低賃金の引き上げがなかったのは2003年以来17年ぶりのことです。

ところで、先日、スイスのジュネーブの最低時給fが23スイスフラン(約2,600円)になったことがネットで話題になっていました。

これは東京の2.5倍で、世界最高の額です。例えば週に30時間働く契約だと1か月約31万円になります。すごいな、ジュネーブに移住しようかな!(フランス語ほとんどできないけど!)と一瞬思いましたが、ジュネーブの物価の高さもまた世界最高レベルなのですよね。

それに比べてアメリカの連邦最低賃金は7ドル25セントで、約800円です。カナダのアルバータ州が最低賃金15カナダドル (約1,180円)なので、カナダに比べると随分安いなと思います。

 

開業記念日/雇用保険の給付制限が変わります

こんにちは、宗谷・稚内のはまなす社会保険労務士事務所です。

10月1日で弊事務所はちょうど開業5周年を迎えました。もう5年!という気もしますし、まだ5年!という感じでもあります。これからも開業当時の初心を忘れず頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、この10月1日から様々なことが変わりました(第三のビールが値上がりしたり…)。

雇用保険の失業給付における「給付制限」も、これまでの3か月から2か月に短縮になりました。厚生労働省のパンフはこちら(PDFファイル)。

正当な理由がない自己都合退職の場合、これまでは基本手当をもらえるまで3か月待たなければなりませんでしたが、この10月1日以降に離職する人は、正当な理由がない自己都合で辞めた場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月になります。

重責解雇など、自己の責めに帰すべき重大な理由で退職する人は、引き続き3か月の給付制限があります。

もともと3か月の給付制限は、自分の都合で仕事を辞めて安易に失業給付をもらうのを防止する目的がありましたが、「3か月は長すぎて自由な転職を阻んでいる」「当面の生活費がないと安心して求職活動ができない」との意見があり、2か月に縮めたものです。

私にも自己都合退職→3か月の給付制限の経験がありますが、給付制限期間中はアルバイトはできるもののまとまった額の失業手当がもらえないのでやはり経済的にもきつかったですし、不安でした。これはとてもいい制度改正なんじゃないかと思います。