【最低賃金】40円アップ! 北海道の最低賃金が960円に

こんにちは、宗谷・稚内の社労士、はまなす社会保険労務士事務所の日野です。

秋のお彼岸が過ぎると10月、つまり最低賃金改定の季節です。2023年10月から北海道の最低賃金は、なんと一気に40円も上がって960円になります。去年、31円アップで驚いた、とこのブログに書きましたが、それを上回る上がり幅が翌年に実現するなんて…。想像もつきませんでした。

最低賃金が上がるときに重要なのは、基本給アップが必要な従業員がいないかの確認です。
例えばフルタイム(1日8時間、週休2日)で働く従業員の場合、

 月間の所定労働時間 174時間 × 960円=167,040円
基本給と手当(通勤手当等は含まない)を合わせてこの額を下回っていたら、10月から対応する必要があります。また、新しく採用した従業員の給料も安易に「月16万ぐらいでいいかな」などと決めてしまうと法律違反になってしまうので注意が必要です。

最近の日本では「人手不足倒産」のニュースを見聞きすることも多くなってきました。以前は働き手を確保できていたコンビニや外食産業でも危機感があるのか、稚内のセイコーマートやマクドナルドでも時給1,000円での従業員募集の掲示を見かけます。それぐらい払わないと働いてもらえない時代になってきているのですね。

マクドナルドといえば、アメリカの店舗で働く人の時給は現在、平均で約12ドル30セント(1,838円)だそうですが、来年4月からはカリフォルニア州のファストフードチェーン従業員の最低賃金は20ドル(2,981円)になり、2029年まで少しずつ上がっていくことが決まっています。時給20ドルでも仮に1日8時間、月20日働いたら476,960円です。

また、アメリカのアマゾンは最大の繁忙期であるクリスマスの時期にフルタイム、パート、季節雇用合わせて25万人を雇用する計画ですが、時給は配属先によって17ドル(2,533円)から28ドル(4,170円)。最大3,000ドル(447,000円)のボーナスも用意しているそうです。小売大手のTARGETやMacy’sでも、クリスマスに向けて雇うアルバイトの最低時給はいずれも15ドル(2,235円)という記事も見ました。

日本の賃金相場から考えると破格の条件に思えます。ちょっとアメリカ行って稼いでくるわ、と言いたくもなります。しかしアメリカは物価も高く、アパートの家賃や自動車保険やガソリン代など生活費も高コストです。外食も高くつきます。収入は低くてもそれなりに暮らせて、サイゼリヤでお腹いっぱい食べても1,000円で済む日本とどちらがいいのでしょうね。