こんにちは、「宗谷・稚内の社外総務部」はまなす社会保険労務士事務所です。
朝からしんしんと雪が降ったかと思えば昼頃にはすっきり晴れたり、またわーっと降ったり、ころころと天気が変わりやすい今日の稚内です。来週は晴れの日が続くようなので、雪かきも一息つけるかな。楽しみです!
さて、2017年(平成29年)1月1日から、改正育児・介護休業法が施行されます。解説のパンフレットはこちら(PDFファイル)。改正のポイントをざっくり書き出してみます。
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1)介護休業の分割取得が可能に
介護をする対象の家族1人につき、通算93日まで、3回を上限として介護休業を分割して取ることができるようになります。従来は分割で取ることができませんでした。
2)介護休暇の半日単位での取得OK
1日単位でしか認められていなかった介護休暇(介護休業とは別です)が、半日単位(所定労働時間の2分の1)で取ることができるようになります。
*介護休暇とは:1年に5日まで(対象家族が2人以上の場合は10日)、介護などの目的で取ることができる休暇です。
3)介護のための所定労働時間の短縮措置が使いやすく
介護のための所定労働時間の短縮措置を、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用ができるようになります。
4)介護のための残業の免除が利用可能に(新設)
従来は、「介護があるから残業は免除してほしい」という希望があっても制度がありませんでしたが、1月からは対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで残業の免除(所定外労働の制限)を利用できるようになります。
5)有期契約労働者の育児休業介の取得要件がゆるく
期間の定めのある契約社員の場合、従来は、「子が1歳になった後も雇用が継続される見込みがあること」が育児休業を取れる要件の一つでしたが、改正後はその要件がなくなりました。また、子が1歳6か月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでなければ、雇用契約の更新があるかないかわからない場合でも、育児休業を取れることになりました。
6)子の看護休暇が半日単位で取得OK
小学校に上がる前の子を育てている労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)、子の看護休暇を取れますが、従来は1日単位の取得のみでした。1月からは半日単位で取れることになり、子どもの看病や通院の付き添いに使い勝手がよくなります。
7)育児休業等の対象となる子の範囲が拡大
特別養子縁組の監護期間中の子なども育児休業等の対象となります。従来は法律上の親子関係がある実子、または養子のみが対象でした。
8)上司・同僚によるマタハラ等を防止する措置が義務付けに(新設)
事業主が妊娠、出産、育児介護休業を理由とする不利益な取り扱いをするのは従来から禁止でしたが、1月からは上司・同僚からのいやがらせ(いわゆるマタハラ、パタハラなど)を防止する措置を取ることが事業主に義務付けられます。
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ポイントはこんな感じです。
就業規則を定めている事業所は、これらの内容を盛り込んで、就業規則を改訂する必要があります。
育児・介護休業法は改正が繰り返されていて、今後もマイナーチェンジが続くと思われますので、就業規則を作る場合は、本則とは別に「育児・介護休業規程」として整備するのがベターですね。