2020年:働き方改革2年目

新年明けましておめでとうございます。弊所は今日が仕事始めです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

元旦の稚内は風が強く少し雪が降っていましたが、北門神社で無事初詣を済ませることができホッとしました。なんとなく、初詣に行ってお札を買うまでソワソワして落ちつかないんですよね。(これも個人事業主の性でしょうか?)

振り返ってみれば、改元のあった2019年は4月から働き方改革関連法が順次施行され、働き方改革元年と言っていい年でした。「働き方改革」という言葉もすっかり日本の人々の中に定着したのではないかなと思います。

夏に札幌へ行ったとき、住んでいた家の近くの回転寿司店に行ったらお休みで、ドアに「働き方改革で今日は臨時休業にします」という貼り紙が。「せっかく来たのに…」とガッカリしつつも、「店員さんたちが休めるのはいいことだ!」と嬉しかったり。

NHKの「チコちゃんに叱られる!」が大好きなのですが、番組の途中にある「目指せ寝正月! 働き方改革のコーナー」を見るとフフッとなり、某CMのキャッチコピーのように「いいぞ、もっとやれ」と思ったり。

NHKといえば、いまは月~土の週6日放送の朝ドラが、働き方改革の一環として今年4月開始の「エール」からは月~金の週5日放送になるんだそうで、激務のイメージがあるテレビ業界も変わりつつあるんですね。

年中無休&24時間営業が当たり前だったコンビニで時短や元旦休業が導入されたことも、令和元年の大きなニュースでした。

少しずつではありますが、こうして日本の労働環境も着実に改善されていくのだなと、社労士としてしみじみ実感しています。2020年も働き方改革に関する様々なニュースが、日本を駆け巡るのでしょうね。

そして今年はなんといっても東京オリンピックです。私は子どもの頃からオリンピックの中継を見るのが大好きな自称オリンピックオタクであります。夏は(仕事に支障をきたさない範囲で)テレビにかじりつき、スポーツの祭典を堪能する予定です。あー、4K8Kテレビと大容量HDDのレコーダーが欲しい!笑

 

北海道の最低賃金が861円に

こんにちは、「宗谷・稚内の社外総務部」はまなす社会保険労務士事務所です。

10月になりました。10月は私にとって特別な月です。4年前の10月1日に、社会保険労務士登録をしたからです。社労士として5年目を迎え、もっともっと頑張らなければ!と改めて身の引き締まる思いです。本当に、頑張らなければ…!(本当に!)

ところで10月はじめから、最低賃金が引き上げられたのをご存知でしょうか(全国の最低賃金の一覧表はこちら)。稚内の労働基準監督署にパンフレットがどどーんと置かれてあったのでいただいてきました。

北海道の最低賃金は26円アップして861円に。道内の事業主が人を雇うときは、時間換算で861円以上の賃金を支払わなければなりません。これはパートやアルバイト、臨時雇いなど、雇い入れの形や呼び方には関係ありません。1時間861円以上をお給料として渡さなければならないのです。

働く時間帯が深夜(午後10時〜午前5時)の場合は、深夜割増で25%加算なので、215円(50銭未満は切り捨てます)を加えて1,076円が北海道の深夜最低賃金となる計算です。

月給の場合でも、1か月の平均所定労働時間(最高でも174時間)で月給の額を割って1時間当たりの額が最低賃金を下回ると、最低賃金法違反となってしまいます。861円以上となるよう計算し直し、基本給や手当の額を上げなければなりません。

また、時給や月給を上げたことで社会保険(健康保険&厚生年金保険)の標準報酬が2等級以上アップする場合は、年金事務所へ月額変更届の提出が必要です。月額変更届を出し忘れると、後から保険料を計算し直してまとめて給与から引かなければならなくなったり、とても面倒なので注意が必要です。

ふー、最低賃金に伴う手続きは事業主側にはなかなかしんどいですね。でも働くほうとしては、いただく給料が増えるのは純粋に嬉しいものです。モチベーションアップにつながります。

今年の最低賃金の「顔」は俳優の松重豊さんでした。「ちゃんとやりなさいよ〜」と語りかけているようです。

働き方改革:有給休暇の管理簿、備えていますか

こんにちは、「宗谷・稚内の社外総務部」はまなす社会保険労務士事務所です。

元号が「令和」になって約1か月が経ちました。5月は私もあちこちと出かけることが多く、忙しく過ごしていました。ありがたいことです。春から秋にかけての北海道はドライブ天国なので、仕事がてらクルマの運転を楽しみたいと思います。

さて政府がすすめている「働き方改革」第1弾の「有給休暇取得の義務化」についてですが、これは1年間に5日、年次有給休暇の取得を事業主、つまり会社側に対して義務づけるものです。

「休みたいけど、仕事が忙しくて休めない」
「休暇を取って行きたいところがあるけど、会社に言い出せない」

会社の雰囲気によっては、そんなふうに社員の側からなかなか「休みをください」とは言いにくいことがあります。それが日本の有給休暇取得率アップを阻んでいた、と言えますが、これからは政府が法律で後押しするので、上司の目は気にせず、とにかく5日分は有休を取ってリフレッシュしてくださいね、というのがこの制度の趣旨です。

「1年間はどこが起点ですか?」と訊かれることがあるのですが、これは年次有給休暇が付与された日(『基準日』といいます)を起点とする1年間です。

つまり4月1日に一斉に有給休暇を付与している会社であれば、そこから1年の間に少なくとも5日分の有給休暇を社員に取得させなければいけません。

4月1日付で入社した新入社員の場合、労基法どおりであれば、10月1日に10日分の有給休暇が当然に発生しますので、10月1日(基準日)から1年の間に5日分、ということになります(4月1日からの6か月間で8割以上の出勤を満たすことが条件です)。

労基法の施行規則で、会社は有給休暇の管理簿を作り3年間保存することも新たに義務づけられました。5日分を確実に取得させるためには、社員が何日の有給休暇を持っていて、そのうち何日使ったかをきちっと把握することが必要だからです。

有給休暇管理簿は「時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにすること」と指定されているだけで、その様式は特に決まっていません。会社ごとに好きなように作っていいです。賃金台帳や労働者名簿と合わせて作ることもできます。

管理簿のひな形は、各地の労働局や社労士事務所で作ったものがネットで検索するとたくさん出てきますので、好みのものを使えばいいと思います。私もこのひな形(PDFファイル)を作って、お客様に使っていただいています。

 

働き方改革:就業規則の改訂はお済みですか

こんにちは、「宗谷・稚内の社外総務部」はまなす社会保険労務士事務所です。

5月1日、元号が「令和」になりました。1か月前に新元号が発表になっていたせいか大きな混乱もなく、新天皇ご即位と同時だったため国中がお祝いムードに包まれた中での改元だったのはよかったと思います。

ご即位に関連する数々の行事、私はテレビにかじりついて見てしまいました。平成は大地震や水害などが多く経済も停滞しひどい時代だったと思うので(個人の見解です)、令和は災害の少ない、明るい時代になればいいなと願っています。

さて、働き方改革の3本柱の一つである「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が施行されて約1か月。年度始めの4月1日に一斉に年休を与えるシステムをとっている会社などは、来年の3月31日までに従業員に5日分の年休を取得させなければなりません。

これについてはニュースなどでよく扱われているので頭の中に入っていても、意外と忘れられがちなのが就業規則にこのシステムを反映させることです。社員の労働時間、休憩、休日、休暇などは、就業規則に必ず盛り込まなければいけないことなので(『絶対的必要記載事項』といいます)、就業規則のある会社は、「年5日の年次有給休暇の確実な取得」の規定を加える必要があります。

「そうは言われても、どんな文章にしたらいいかわからない ><」 そうですよね、難しいです。一つの例を挙げてみます。

・・・第◯◯条の規定により、年次有給休暇が10日以上(繰越し分を除く。)付与された従業員に対しては、そのうち5日について、当該年次有給休暇が付与された日から1年以内の期間に、会社が本人とよく話し合い、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、その日数のうち、従業員が自ら時季を指定して年次有給休暇を取得した場合においては、その取得した日数分を5日から控除するものとする。

こんな感じでいかがでしょう? 参考にしてみてくださいね。なお、就業規則の内容を変えたら、「変更しました」とその部分を労基署に「就業規則(変更)届」とともに届け出る必要があります。従業員代表の意見書ももちろん添付します。また、就業規則は作っただけ、改訂しただけではダメで、その内容を従業員に周知しておかないと規則の効力が発生しません。ミーティングなどで内容の変更について知らせた上で、従業員がいつでも見られる場所や社内LANに就業規則のファイルを置いておくことをお忘れなく。

働き方改革関連の法改正をうけ「これを機会に就業規則の見直しをしようかな」と考えている経営者さんもいるかもしれません。特に昭和の時代や平成ひとケタ年などに作られた就業規則をそのまま使っている会社は、できるだけ早く作り直すことをおすすめします。それ以降、労基法も変わっていますし労働安全衛生法もパートタイム労働法も育児介護休業法も大きく変わり、労働契約法も生まれました。現行の法律や規則、社会情勢に合った就業規則にするために、お近くの社労士に相談されるといいと思います。当事務所でも承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

 

cherryblossoms-371433

新元号は「令和」に!「働き方改革」第1弾も今日からスタートです

こんにちは、「宗谷・稚内の社外総務部」はまなす社会保険労務士事務所です。

すごく久しぶりの投稿です。書きたいことはたくさんあったのですが、なかなか筆が進まず今日まできてしまいました。

今日政府から新しい元号の発表がありましたね。新元号「令和」。私は一目見て「いい!」と思いました。文字もシンプル、響きもスッキリしていて、何より日本の古典「万葉集」からというのが気に入りました。「令和元年」が楽しみです。

昨日が平成最後の日と勘違いしていた人もいたようですが、平成はあと1か月続きます。今日は平成最後の年度始めの日。そして「働き方改革」第1弾である「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が施行される日でもあります。

この4月から、雇い主は年5日の有給休暇を従業員に取らせることが義務付けられます。これは正社員だけでなく、週4日以上働くなどして有給休暇が年10日以上与えられるパートやアルバイトも対象になります。この有給休暇は半日単位で取らせてもいいですが、1時間単位の時間年休は対象外です。

この新しい有給休暇の取得義務付けに合わせて、「年次有給休暇管理簿」の作成と保存も雇い主の義務となります。確実に年5日の有休を取得させるためには、従業員がどれだけ有給休暇を取っているかをきちんと把握する必要があるからです。

また、休暇は就業規則に必ず載せないといけない項目であるため、就業規則のある会社では、この5日の取得義務付けについて就業規則に盛り込まなければいけません。平成10年代などに作成された古い就業規則をお持ちの会社は、これを機会に就業規則を一新することを考えてみてもいいと思います。

「年5日の有給休暇の確実な取得」については、厚生労働省のこのパンフレットがとてもわかりやすいです。(PDFファイル)

罰則規定もあるこの新しい規則。政府は働き方改革に対して本気なのだなと思います。ワーク・ライフ・バランスの実現への第一歩といえるかもしれません。有給休暇取得ルールの変更から、日本人の働き方も変わっていくといいなと、社労士として願っています。

 

cherryblossoms-371433